さんてつ社長だより ~笑顔と希望を乗せて~

 「3.11を語り継ぐ 感謝のリレー号」

東日本大震災津波から10年が経った。

10年前、私は岩手県沿岸広域振興局長として釜石市で勤務していた。3月11日の午後、激しい揺れの後、海に近いホテルから庁舎に戻ろうとしたが、避難する人たちの車で道路が渋滞し、なかなか進まない。裏道を通り、何とか渋滞を抜けることができた。渋滞でそこに留まっていれば、津波に巻き込まれていたと、後から言われた。人の生死を分ける境目は紙一重だと改めて実感した。

 東日本大震災津波では、岩手県内では、行方不明者、震災関連死を含めると、6千人を超える方が犠牲となった。今朝、挨拶した人と、もう会えなくなる。昨日まで続いていた日常が、突然無くなってしまう。もし、最後だと分かっていたなら・・・。そう考えると、今日会うすべての人、すべてのものが掛け替えのない、愛しいものに感じられる。

三陸鉄道では、3月11日、震災やその教訓を語り継ぎ、これまでの支援に感謝の気持ちを示すため、「3.11を語り継ぐ 感謝のリレー号」を運行した。南端の盛駅から北端の久慈駅まで、163kmを4時間半かけて走行。途中、14時46分には宮古市の閉伊川橋梁で停車し、黙とうを行った。

 その時刻に、全国の多くの皆さんが、それぞれの場所で、手を合わせ、大切な人に想いを馳せた。

 「復興」に終わりはない。より良いふるさとを目指した取組み、その過程こそが復興だと思う。子どもたちが、大人になっても暮らし続けたいと思えるような、そんな「ふるさと」を皆で築いていきたい。

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