甫 嶺 駅 (ほれい)

甫 嶺 駅 (ほれい)

●愛称:「金のしずく」~駅の西側にそびえる今出山は、初夏にはつつじの咲き誇ることから~

今出山の山麓には戦前まで金山があり金の採掘を行っていた。
気仙地方にはかつて金山が点在し、平泉文化に寄与したといわれる。
甫嶺駅は、築堤上にある駅だが、さほど高い位置ではない。
ホームは1面1線の無人駅。
付近には小学校などもあり、海岸の小さな町を形作っている。

朝日新聞掲載 一駅一話 三陸鉄道編(2003年5月3日から25回)甫嶺駅

[南リアス線編]

甫嶺 「おらほの窯」

この日は初挑戦の主婦たちばかりが参加。工房は、世代間交流の場になっている

 「ここをしっかり持って、こうヘらを使って」

  「ほんとだ。ありがとう。すごいすごい」

  70、80歳代のおじいちゃんがろくろを回しながら、若い主婦を相手につきっきりで教える。

  放課後の校庭で遊ぶ子どもたちが、ときおり窓からのぞき込む。

  駅前の甫嶺(ほれい)小学校の校門脇にある小屋「さんりく陶芸工房」。

  10年前、大船渡市立根町の「福祉の里」であった高齢者大学の陶芸講座で3年間学んだ講習生のうち、旧三陸町の13人が、卒業後も福祉の里の隣にある窯まで車で30分かけて通っていた。「三陸町にも窯がほしい」と町に要望した。

  「三鉄を利用してもらえる施設なら」と、98年、県の地域活性化調整費と町予算合わせて850万円で窯と工房ができた。13人は「三陸陶友会」を結成、冬場以外は工房で月2回例会を開き、作陶に励む。

  初期のメンバーは指導員として、主婦や親子教室などの講座も持つ。1カ月の予定を書く黒板は、半分ほど埋まっている。

  その謝礼や余った材料などを会に入れるため、年会費3千円と1回100円の使用料で「作り放題」。この安さもあり、仲間は33人に増えた。後から入会したのは大半が女性だ。

  会長の橋本吉右衛門さん(80)。名工みたいな名だが、やはり陶芸歴は10年。

  「70の手習いが生きがいになるなんてね」。工房のにぎやかさは児童たちに負けていない。

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