一の渡駅 (いちのわたり)

一の渡駅 (いちのわたり)

●愛称:「うぐいすの小径(こみち)」うぐいすやカッコーの声が聞こえることから~

この駅は、宮古駅のための列車退避駅及び列車交換駅として重要駅ですが
近くの山々には、”うぐいす”など野鳥が多く、天気の良い日、側の小径をウォーキングしてみると、きっと誰もが優しい気持ちになれるはずです。

朝日新聞掲載 一駅一話 三陸鉄道編(2003年5月3日から25回)一の渡駅

[北リアス線編]

一の渡 「シイタケ」

原木を立て替える在原源七さん。全部で千本以上ある

 すき間から日ざしが差し込んでいる。ビニールハウスの中はむせるような暑さだった。

  在原源七さん(66)はシイタケの菌を植え付けた長さ1メートル、直径20センチの木材の向きを1本ずつ変えては、立てかける。

  「ハウスのシイタケは管理がすべて」

  日焼けした顔から白い歯がこぼれた。

  駅前の一本道を300メートルほど歩くとハウスが見えてくる。200メートル四方に9棟を並べる。

  ハウス栽培にしたのは87年。県内で在原さんが初めてだった。「リスクが大きい」と県内の研究所は反対した。

  結果は大成功。岩手では良質のシイタケはとれないと言われていたのに、2年後には大きさ、質とも最高の賞をとった。

  県全体の生産量も上がり、全国で二けた台だった順位が3位まで上がった。宮古・下閉伊地区のシイタケは一気に全国区に。人気料理番組が取り上げた。

  この7月には、東京の私立女子中学校が修学旅行で訪れた。多くの生徒はシイタケの産地を知っていた。うれしかった。

  ところが最近、地元小学校の給食会で、多くの児童から「切り刻まれたシイタケがそのまま生えていると思い込んでいた」と聞かされた。「地元がこれでは……」

  とりあえず駅のホームに、大きなシイタケの原木を置くことから始めようかと考えている。

(10/15)
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