摂待駅 (せったい)

摂待駅 (せったい)

●愛称:「旅の八郎」~摂待畑に住んでいた3人兄弟の末っ子、「八郎」伝説の物語から~

駅前には「摂待駅前地場産品産直所」があり、買い物をするひとたちで賑わっています。
新鮮な野菜はとても美味しく、地元の方はもちろん、ファンの多い産直です。

朝日新聞掲載 一駅一話 三陸鉄道編(2003年5月3日から25回)摂待駅

[北リアス線編]

摂待 「駅前産直」

新婚の畠山さん。農作業の合間の産直当番が楽しみだ

 無人駅の階段を降りると、駅前で農家のおばちゃんが「いらっしゃい」と迎えてくれた。地元産の野菜や花の直売所だ。

  リンゴ、大根、白菜などが、農家ごとに仕切られた陳列棚に、競うように並ぶ。最初は無人だった。お金を入れてくれないので、交代で店番を始めた。県内の産直店の走りだ。口コミで広がり、隣町から電車や車で客が来るようになった。今では1日に1万円以上稼ぐ農家もある。

  人気の理由は、新鮮さだけではない。取れたてを運んでくる農家と、店番と、客の「和」が魅力だ。

  「足は良くなったか」。「けがだ、病気だって、痛い話ばっかりだね」などと笑い合う。そのなごやかさ。「腹が立つことがあっても、みんなの顔を見れば忘れる」

  最年少の畠山峰子さん(25)は、ここで育ち、リンゴ農家に嫁いだ。子どもの頃、好きな直売所に「駐車場を広げたり、屋根を付けたりすれば」と作文を書いて、表彰された。「そしたらその通り整備された。その上ここで働けて、夢みたい」

  摂待地区は、50年前に一斉に開田した。転作で野菜や花も始めたが、消費地までは遠い。数人で「三鉄の駅前でも売ろうか」と思い立った。それから17年。開店時の代表者、舘崎隆保さん(71)は「昔から助け合ってやってきた。だから仲良く続けられる」。

(10/4)
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