白井海岸駅 (しらいかいがん)

白井海岸駅 (しらいかいがん)

●愛称:「ウニの香り」~ウニの産地として知られる海岸というところから~

駅をおりて坂道を下っていくと、サラサラの砂浜があります。海辺には口にとろける”うに”がいたるところにあります。でも、だまって取ると密漁になるのでご注意を!!

朝日新聞掲載 一駅一話 三陸鉄道編(2003年5月3日から25回)白井海岸駅

[北リアス線編]

白井海岸 「山の中なのに」

チームワークよく網を引き揚げると、魚を目当てにカモメの群れが寄ってきた

 「海岸」と名がつくのに山の中。ホームの両端はトンネル。集落も遠い。国鉄時代は駅がなかったが、三鉄が請願を受けて造った。なのに、「国鉄時代に地主が土地を売らなかったからこんな不便になった」「熊が出るから、子どもはバスか隣駅に送る」といわれる。可哀想な駅だ。

  くねくね道を車で5分走り、港へ。養殖ワカメの手入れに精を出す赤坂照良さん(49)がいた。

  「白井はいい所。みんな仲良しだ。あした4時半においで」

  翌朝、太田名部漁港に行った。普代村漁協の大きめの船はここに、かためて置いてある。

  朝5時。2隻の「白井丸」に10人ずつ乗り込んだ。養殖場をぬって、15分ほどで白井海岸沖だ。

  親方の指揮で、網を引っ張る。船べりに並び、網をたぐり寄せると、獲物が浮かび上がった。イカスミで鮮度を損ねないように、魚は別の水槽に移す。エンジン音で声が聞こえないが、作業はあうんの呼吸だ。

  畳半畳ほどのマンボウも捕れた。赤坂さんが船上でさばく。しょうゆをぶっかけて「食べな」。こりっとした食感だ。

  海霧の向こうに、リアス海岸が連なる。赤坂さんが指さす。「白井の集落は他より高いだろ。土地を売る売らない以前に、前の駅から急に線路を昇らせても、あの辺にしかできないんだ」。納得した。

(9/18)
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