田野畑駅 (たのはた)

田野畑駅 (たのはた)

●愛称:「カンパネルラ」~宮沢賢治の童話、「銀河鉄道の夜」の主人公ジョパンニの親友の名前から~ 

宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」から名づけられたカンパネルラ駅は、入江の傍にある小さな駅です。まわりに住む人達は、ジョバンニだったり、ザネリだったり、カンパネルラだったり
なにかいろいろなものが、なんとも言えず懐かしいような新しいような気がして
イーハトーブの思いがいっぺんにあなたの胸に集うことでしょう。
陸中海岸随一といわれる景勝美を誇る”北山崎”への最寄駅です。
なんといっても心を奪われるのは、垂直にそそり立つ200m級の絶壁に、荒波がぶつかり砕け散るさま。海岸までは753段の石段が続き、さまざまな角度から迫力ある風景を眺めることができます。

朝日新聞掲載 一駅一話 三陸鉄道編(2003年5月3日から25回) 田野畑駅

[北リアス線編]

田野畑 「友の会」

田野畑に着くと、駅舎に飾られたかわいらしい木彫りのタヌキが迎えてくれる。住民が提供した

 線路脇に、不格好なキュウリが植わっていた。駅舎2階の「公民館」では、お年寄りと児童らで、駅の飾り物を作っている。駅を運営する、三鉄友の会や地元自治会の人たちの活動だ。

  友の会会長の田野畑嘉隆さん(62)は「田野畑村は、他の沿線市町村よりも『マイレール意識』が強い」と話す。

  三鉄開業まで、今の宮古-久慈の沿線で、鉄道が通っていなかったのは田野畑村だけだった。だから喜びも大きかった。

  開業後は、盛んにマスコミに取り上げられ、新聞には「マイレール」の文字が踊った。駅舎の喫茶、食堂は客がとぎれなかった。喫茶を担当していた友の会幹事長の根木地徳栄さん(55)は、「コーヒーを飲みに寄った記者たちだけでも大繁盛というぐらい、報道関係者が来ました」と語る。

  だが、ブームが去り、マイカー時代が到来すると、徐々に客足も遠のいた。三鉄の赤字はかさみ、店の運営も厳しくなった。ここ数年は、自治会の予算から補填(ほてん)して、何とかもっている状態だ。

  「もう駅の運営はやめよう」。根木地さんは、今年の自治会の総会では、そんな意見が出ることも覚悟していた。

  でも、そんな「いやな予感」は外れた。

  みんな、「何とか三鉄を盛り上げよう」との気持ちで一致していた。熱い思いの「火」は、消えていなかった。

(9/25)
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